東京都は、西武グループが運営する遊園地「としまえん」(練馬区)の敷地など約22ヘクタールについて、買収交渉に乗り出すことを決めた。 都立公園としての再整備を「都市計画公園・緑地の整備方針」改定案に盛り込む方針で、16日に公表する。東日本大震災の発生で都内に帰宅困難者らがあふれたことなどを契機に、都は防災対策の一環として、東京23区内に公立の大規模公園を新たに確保する必要があると判断した。複数の都幹部によると、買収費用は数百億円に上る見込みで、西武側も協議に応じる意向という。 都が買収交渉に乗り出すのは、同園の敷地一帯。整備方針では、これを重要公園の「練馬城址(じょうし)公園」とし、新規事業では23区内で最も広い公園となる。10年以内の都立公園としての事業認可を目標とするが、今年3月の大震災発生を受け、都幹部は「優先的な整備が必要。買収は閉園が前提になる」としている。