2018年12月。Jリーグの年間表彰式「Jリーグアウォーズ」で、最も注目されたMVPに輝いたのは川崎フロンターレのMF家長昭博だった。 川崎に加入してから2年目にしてリーグ連覇に大きく貢献したことが評価されての初受賞。 「このような名誉ある賞を、6得点7アシストという平々凡々な記録でもらうのは心苦しいですけど、本当にありがとうございます」 控え目な受賞スピーチからは謙虚さがにじみ出ていた。それはピッチで見せる姿においても多少、似ているところがあるのかもしれない。プレースタイルは淡々としていて、あまり感情を表に出すタイプでもない。 ただ、現在32歳の家長がJリーグを代表する選手へと成長した背景には、数々の経験に裏打ちされた“何か”があるからではないか――。 去年からそれを聞いてみたいと思っていた。ただ、周辺から聞こえてくるのは、家長は“気難しい”、“本音を中々話さない”という声。 もちろん、