昔、全国麻雀大会が船を借りきって行われたことがある。プロ棋士も参加した盛大なもので日本一になったのは将棋のプロ棋士だった。ところが、いざ表彰式になって、その棋士が表彰も賞金も辞退してしまったのである。その理由について棋士がこう話した。(当時の麻雀牌は象牙に竹をかぶせたものだった) 「その竹の表は細いスジが入っていたり、竹の色が微妙に違います。私はその一枚一枚を全部覚えてしまったんです。私一人が伏せたまま全部の牌が読めるので、牌をわかってやっていたようなもので私が勝ったのは当り前です。ですから、表彰も賞金も辞退させて頂きたい。」 結局、二位の人が優勝ということになったのだが、この時の新聞の見出しが面白かった。 <プロ棋士の頭はコンピューターだ> まだコンピューターが一般人にはよくわからない時代だったから、コンピューターが魔法と同じみたいに考えられていたのである。そのプロ棋士が今や、コンピュー