DDTから派生したブランド(イベント)の中でも、とりわけエンターテインメント色が濃く、端的に言えばふざけているのが『マッスル』である。 DDTの映像スタッフからレスラーになったマッスル坂井がクリエイトする『マッスル』では、プロレスの興行なのに大喜利対決が行われ、選手に観客ぐるみのドッキリが仕掛けられる。 スケートを模した「フィギュアプロレス」では試合を終えたレスラーがキス&クライで得点発表を待ち、連続興行の2日目が「追加公演」として開催されたことも(2日続けて同じベルトの“初代王者”が誕生した)。 そういう“エンタメプロレス”の中で、登場人物たちはリアルな感情をさらけ出しもする。坂井が「台本(があると明言されているのだ、このイベントは)を書けない」こと自体がテーマにもなった。 エンターテインメントの中にあるリアルな人間ドラマ。それはプロレスというジャンルそのもののことなのだが、坂井はそうは