今年3月、首都キーウで国民に向けて演説するゼレンスキー UKRINFORMーFUTURE PUBLISHING/GETTY IMAGES <プーチンも相当な「役者」であることを忘れていた、元コメディ俳優の大統領。彼が演技を捨て、自国の状況を世界に訴える本当のリーダーになるまで。伝記から読み解く、ゼレンスキー大統領とは?> 今年2月24日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに侵攻を開始したとき、ウクライナがすぐに降伏するだろうと考えた人は少なくなかった。ところがウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はロシアに屈するのを拒み、暗殺の危機を何度もくぐり抜け、国民を戦いに向けて鼓舞した。国際社会に対しては、ロシアへの制裁とウクライナへの兵器・弾薬の供与を訴えた。 ゼレンスキーはコメディー俳優から政治家になった。テレビドラマ『国民の公僕』で、やはり素人から政治家になった元高校教