巡礼路が復活したイタリア、シチリア島のアグリジェント。世界遺産「神殿の谷」には多くの観光客が訪れる。(PHOTOGRAPH BY FRANCESCO LASTRUCCI) 10年前、イタリアの歴史家や考古学者らが、十字軍の騎士たちがノルマン語で記したシチリア島内陸部の古道を地図にまとめる作業を始めた。ほとんど忘れられていたこれらのルートは、巡礼路「ヴィア・フランチジェナ」の一部だ。ヴィア・フランチジェナは、英カンタベリーからイタリア、ローマ、そして南東の聖地へと続く、かつてヨーロッパで最も古く、最も人気があった巡礼路である。 シチリア島の巡礼路は、ギリシャ人、ローマ人、ノルマン人、アラブ人、アラゴン人などが何世紀にもわたって利用し、現在でもその痕跡が残っている。シチリア島の住人たちは、数千年の歴史を持つ巡礼路に新しいトレッキングコースを作り、観光客を増やそうという野心的なプロジェクトを始め
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