【上海=河崎真澄】香港政府が中国本土の妊婦による「越境出産」受け入れを来年からゼロにする新たな政策を決めた。香港で出生した子供は、高い教育水準や福祉制度がある香港の永住権を取得できるため、富裕層を中心に中国本土から妊婦が殺到。そのあおりで出産費用が高騰したり地元妊婦が産科の空きベッド待ちを強いられたりするなど、香港で社会問題化していた。 不法滞在している中国人妊婦が救急外来に駆け込むケースも少なくなく、香港では年内の駆け込み越境出産の急増が警戒されている。 中国紙、東方早報によると、香港の食品・衛生局が27日までに決めた越境妊婦受け入れのゼロ化は、両親ともに永住権のないケースが対象。父母のどちらかが永住権を持つ場合は出産を認める。 7月1日付で香港政府トップの行政長官に就任する梁振英氏が3月の長官選当選後に、今年は3万1千件の越境出産を認めていた香港の私立病院の受け入れ枠を来年からゼロにす