台湾ファクトチェックセンターによって「合成」と判断された巨大エビの写真。台湾のSNSで拡散した(同センター提供) 8月下旬に東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が開始されて以降、中国や台湾の交流サイト(SNS)では処理水の危険性を強調し人々の不安をあおる偽情報が多数拡散した。来年1月に投開票が行われる台湾の総統選を前に、日本との関係を重視する与党、民主進歩党に選挙戦で打撃を与える狙いもうかがえる。 台湾の非営利組織「台湾ファクトチェックセンター」は、処理水が海洋に放出された8月24日以降、インターネット上に拡散した処理水と関係する情報をチェック。そのうち約20件を偽情報と判断し、注意喚起のリポートを発表した。「福島県産の水産品を食べた岸田文雄首相が緊急入院した」とのフェイクニュースもあったという。 偽情報の中には、処理水の影響により海中の生物が変異し、巨大化したエビやタコなどを捕獲したとさ