福島県猪苗代町にある「十八間蔵」を改装した「はじまりの美術館」。障害ある人たちを支援してきた地元の社会福祉法人が、震災を乗り越え、2014年にオープンした。福祉とアート、地域の再生というテーマが交差する美術館を訪ねた。 東京から新幹線で郡山駅へ。磐越西線に乗り換えて40分ほどで猪苗代に着く。タクシーで少し行くと、そば店の向こうに大きな蔵があった。「はじまりの美術館」だ。中の展示スペースには、靴を脱いで入った。床には木のレンガが敷き詰められている。受付に座っていたのは、館長の岡部兼芳さん(43)。お客さんが来たら、自ら作品の説明もする。