連載目次 八戸市美術館「赤城修司+黒田喜夫——種差デコンタ2016」展示風景(会場1階) © ICANOF 写真提供: ICANOF(以降すべて) 8月の末、釜山ビエンナーレ2016のキュレーションのため滞在していた韓国から一時帰国し、息つく間もなく新幹線で青森、八戸へと向かった。八戸市美術館での展覧会「赤城修司+黒田喜夫——種差デコンタ2016」に関連し、初日より3日連続で開かれる「デコンタ・フォーラム」に招かれたためだ。「デコンタ」とはなにか。一般にコンタミネーション(contamination)は科学の実験や臨床医術などで生ずる有毒物質による汚染を意味し、「デ(de)」はこれを解・除する接頭語だから、私たちが通常の生活を送るかぎり、あまり縁のない、縁があってほしくない語であったと言えるだろう。 ところが福島原発事故以来、「デコンタミネーション」は、私たちにとって急速に身近な言葉となっ