地球という惑星の地質学的なパワーによって、地球のどこかの場所で特定の鉱物が生成されるなら、他の場所でも同様のことが起こる可能性は高い。 実際、国際鉱物学協会(IMA)によって認定されている鉱物は6000種にのぼり、その多くは複数のプロセスを経て形成され、まったく異なる化学反応によって同一の結果がもたらされる。 だからその種の鉱物の標本は複数見つかるのが普通だ。例え鉱物が一度しか形成されなかったとしても、その標本が砕けて、広い範囲に飛び散ることだってある。 だが、地球上でたったひとつしか標本が見つかっていない鉱物が存在する。それがチョートゥー石なのだ。 2015年に新種の鉱物に認定された「チョートゥー石」 チョートゥー石(kyawthuite)は、ミャンマーのモゴック近郊で見つかった宝石用原石で、2015年にIMAによって新種の鉱物と認定された。 ほぼ同一の合成混合物であることがすでに知られ