前回の感想で、美しさと殺人について書いた。 つまり、「愛は美しい」、されど「愛は愛する人と愛していない者を分けること」、だから、「愛によって人は人を殺す」と言うことだ。 冠葉は陽毬を愛するが故に、陽毬の意志とは関係なく、他人を殺した。 その姿は美しいのかもしれない。だが、殺される脇役だって家族や夢があるんだ。それを摘み取る殺人を犯す主人公は美しいのか? そういう事を考えた。 だけど、冠葉は自分も撃たれる場所に率先して出て行った。先週の冠葉は、覗木記者を殺す時に指示を与えただけだったけど、今回は警察官や機動隊員に銃撃される覚悟で戦場に出た。冠葉の使っている爆弾は怪しげだが、一応冠葉は一方的に殺人をしているのではない。自分の将来や命はとっくに捨てて、相手を殺した分だけ自分を殺している。彼も血を流し、いつ殺されても躊躇しないで戦っている。 そう、これは殺人ではない。戦いだ。 戦う者は美しい。 と