1997年に神戸で小学生が連続して襲われる事件があり、この事件により山下彩花さんと、土師(はせ)淳くんの尊い命が亡くなりました。その事件の犯人は、当時14歳であった少年『A』でした。Aは子どもの頃、祖母に全てを受け入れられ、愛されている事を感じていました。今回は、Aの人生が大きく変わったきっかけについて触れていきます。参考にしているのは、『絶歌』と『少年Aの深層心理』と言う本です。 『死』と『性的興奮』の結合 臨床心理士の矢幡洋さんは、自著の中で、フロイトの説を言及し、『性欲の発達段階で、何に性欲が向けられるかは、思春期にどんな体験をするかという偶然によってほとんど決定されてしまう』と説明しています。 Aの場合は、祖母の『死』のショックから立ち直れない状況の中で、精通を経験しました。このことが、後に死と性的興奮が結びつきエスカレートした一因ではないかと思います。 『死』を繰り返したのは何故