文芸同人誌としては、1885年(明治18年)に尾崎紅葉、山田美妙、石橋思案、巖谷小波、川上眉山、廣津柳浪ら硯友社の同人が発行した機関誌『我楽多文庫』が最初とされ、その後、『奇蹟』『新思潮』などの同人誌が刊行されてゆき、中でも志賀直哉が参加した『白樺』は戦前の同人誌の中でも最長、最大の力を発揮したとされる。また、戦後に本多秋五らが創刊した『近代文学』は、日本近代文学史上最大の同人誌であった[5]。 漫画の同人誌も現れたが、1960年代までは安価に印刷する手段がなかったため、原稿を綴じて回覧する「肉筆回覧誌」が主流で、青焼きコピーの同人誌も多く見られた。1968年(昭和43年)頃からオフセット印刷が普及し始め、1972年(昭和47年)に開催された「日本漫画大会」ではオフセットのコミック同人誌が多かったという[6]。 また、1975年(昭和50年)にコミケが始まった当初は、コミック同人誌も創作マ