浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止が避けられない情勢となり、中部電力は、火力発電などへの切り替えに伴う発電コスト上昇で、2011年度の営業利益が赤字転落する可能性が出てきた。 夏には管内で電力の供給力不足に陥る恐れもあり、中部電の経営は大きく圧迫されそうだ。 中部電は、定期点検で休止中の浜岡原発3号機を7月に再開することを前提に、11年度の業績見通しを算出していた。しかし、菅首相による6日の運転停止要請で状況は一変した。 中部電によると、原発1基分を火力発電で代替すると、燃料コストは1日2億〜3億円上昇する。原発の稼働率が1%下がるごとに、営業利益は年26億円押し下げられる計算だ。 5月以降の稼働率がゼロとなった場合、11年度分で2000億円を超える減益要因になる見通しだ。中部電は、11年度の営業利益を1300億円と予想しているため、営業赤字に転落する可能性が高い。