共働き化が少子化の原因のように指摘されることが多い。本当なのか。拓殖大学教授の佐藤一磨さんは「直近のデータをみると、専業主婦世帯の約4割が子どもをもたず、その割合は共働き世帯を上回っている。また専業主婦世帯の一人っ子率は高く、2人目3人目を産む割合は共働き世帯のほうが高くなっている。共働き化が少子化の原因とはいえない」という――。 共働き世帯は専業主婦世帯の2.5倍に 日本の少子化が止まりません。 厚生労働省の「人口動態統計速報」によれば、2023年の出生数は75万8631人であり、2年連続で80万人台を割り込みました。日本で出生数が100万人を切ったのは2016年で、その後のコロナウイルス蔓延の影響もあってか、出生数の低下に拍車がかかっています。 日本では少子化とともに高齢化が急速に進展しているため、年金や医療といった社会保障制度の持続可能性や、今後の経済発展に大きな懸念が持たれています