大森さんの耕した畑が実って、 大森さんがいいなと思ったリストが 大森商店にならんでいる。そんな時期ですよね。 ここに並ぶのは品質保証がしっかりしている商品。 さらに箱を入れ替えてみたり、 別の苗をかけあわせてみたり。 そういう大森さんは、スポンサーたちから 絶大な信頼感をもたれていたんです。 品質のよさは、アレンジャーもそうで、 かならずすごい人をおくんですね。 瀬尾一三さん、樋口康雄さん、井上鑑さんとか、 坂本龍一さんもそうですよね。 中島みゆきさんが採用するくらいの人たち。 そんななかで、 非常にユーティリティープレーヤーだったのが ムーンライダーズというバンドであり、 鈴木慶一さんだったんです。 彼らがいまも続く長寿バンドでいられたのは 大森さんと組むような仕事が 確実にあったから、ですよね。 (糸井重里) 話を大森昭男に戻そう。 広告音楽関係者の多くが“黄金時代”と例える 80年代