小池正博さん=撮影・有附明子 面白いからやり続けている ――まずは、川柳を始めたきっかけを教えてください。 三十年くらい前の話なので、定かではないんですけど……。普通は、川柳を始めたのは何年何月、と分かっている人が多いんです。それは、「何年にどの結社に入って、それが川柳の初めです」ということなんだけど、私は曖昧なんです。連句を始めたのは1988年。川柳は1997年。連句の方がちょっと先ですね。田辺聖子の『川柳でんでん太鼓』(1985年/講談社)を単行本で読んで、近代川柳や現代川柳があるということが分かった。特にいいと思ったのが鶴彬と時実新子なんです。鶴彬はプロレタリア川柳、時実新子は私性川柳の代表的な作家。両極端ではあるけど、どちらも面白いなあと思った。 その後は「番傘」という伝統的な川柳結社に入っている人が職場の同僚にいて、その人に句会に連れて行ってもらったり、新聞の柳壇にも投稿しました