取締役で迎え、年収は6000万〜1億円。契約期間は3〜5年で、数千万円の契約金も支払う。専属の秘書と運転手付きの車を提供し、100平方メートルの広さの家具付きマンションや日本への帰国、家族を韓国に招待する費用なども全て会社が負担する▲ロイター通信が東京発で、韓国のサムスングループが、ある日本人技術者に提示したスカウト条件を紹介している。これほど破格(はかく)でなくとも、近年、韓国や中国などの企業が好待遇で日本人技術者を引き抜くケースが目立つ▲業績不振(ぎょうせきふしん)の日本の大手メーカーがリストラを強化し、職を失うベテラン技術者が増えている状況が拍車を掛ける。技術者が海を渡る決断をするのは、自分は社内で正当に評価されていないとの不満が要因であることも多いという▲海外企業が日本人技術者への出費を惜しまないのは、日本の技術を高く評価しているからだろう。だが、人の移転に伴って技術流出が続くと、