定年延長の広がりや人手不足などを受け、働く高齢者の数は年々増えている。総務省の労働力調査によれば、2021年時点、労働力人口のうち60歳以上は約1470万人。労働力全体の約2割を占める形となっている。60歳を境に非正規労働者の割合も増えており、現在働く60~64歳のうち、男性は約45%、女性は約75%が非正規労働者だ。 非正規労働者が多い背景には、多くの企業で60歳としている定年後の再雇用時の雇用契約が関係している。1年間の有期雇用契約の場合が多く、正社員ではなく嘱託社員、契約社員であることが多い。 給与水準も大幅に引き下げられる。退職前の6割前後が一般的だが、給与水準がもともと高い大企業に至っては4~5割まで引き下げられるケースも少なくない。 だが、旧労働契約法20条(21年4月以降はパートタイム・有期雇用労働法8条)では、正社員と非正規社員の不合理な待遇格差を禁じている。そのため、今回
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