驚いたことに、新宿ミロード・モザイク通りに「トマソン」、それも「四谷階段」タイプの「純粋階段」ができていました。階段の後ろのショーウィンドウに「COCUE」とあるのは、代官山にあるブランドの名前で、この階段も含めて広告になっているのだとは思いますが、「COCUE」とは、フランス語で「女を寝取られた男」という意味です。「COCUE」を「純粋階段」と並べると、どうもデュシャン芸術のような雰囲気が醸し出されていて、どこかしらエッチなニュアンスです。 新宿で見つけた「純粋階段」 「四谷階段」は、1973年、赤瀬川原平氏らが、四谷にあった「祥平館」(現・ホテルニューショーヘイ)という旅館の裏を歩いていて見つけた奇妙な階段です。階段というものは、上がったところ、または下りたところに入口があるのですが、この階段は、単に上がって下りるだけの「無用階段」でした。単に壊すのが面倒なだけとも思えるのですが、手摺