本報告では2011年上半期のアイデンティティ管理技術に関する動向として、アイデンティティ・プロビジョニング・インタフェースの標準化を目指すSCIM(Simple Cloud Identity Management)の概要を紹介する。 ユーザが情報システムを利用するためには、先だってそのシステムへのログインに必要なユーザ・アカウントが存在し、かつ必要なアクセス権限が設定されている必要がある。そしてユーザの立場や役割の変化(例: 企業内における社員の異動や昇進、コンシューマー向けサービスにおける普通会員から特別会員へのアップグレード)に応じ適切にアクセス権限を付与・剥奪し、さらに利用資格を喪失した際(例:退職や休職、退会、利用料未払い)には、ユーザ・アカウントの無効化や削除を行わなくてはならない。このような、ユーザ・アカウントとアクセス権限の継続的な管理を、アイデンティティ・プロビジョニングと