「ナーガス」 コンビニでサンデーとアメリカンドッグを購入しようとレジについた私は、突然耳慣れない言葉を受けて顔を上げた。 レジの店員だった。 ちょうど、サンデーをレジに出して、アメリカンドッグを追加注文しようと保温ケースの方を向いていたところへの「ナーガス」だった。 ナーガス? しばし店員と顔を見合わせた。店員は、35歳前後の細身長身の男性。どことなく落ち着きが無い。 もう一度店員が言った。 「ナーガス」 そこで気が付いた。彼は、値段を告げていたのだ。 サンデーは250円。「にひゃくごじゅうえんです。」が、早口すぎて「なーがす」と聞こえたのだ。 「あ、すいません、あと、アメリカンドッグ1つ、お願いします。」 私が追加注文すると、一瞬、眉をしかめてから、さも忙しそうにアメリカンドッグを掴んで紙袋に入れると、サンデーと並べて置いた。 「サーガス」 レジのディスプレイを見ると、「355円」と書い