民家の周りに張りめぐらせたアルミ製の「ヤスデ返し」。表面がつるつる滑るので、侵入阻止に効果があるという=南九州市知覧町 JR指宿枕崎線で11月、普通列車が車輪の空転によって1時間以上遅れるトラブルが起きた。犯人は、線路に群がった「ヤンバルトサカヤスデ」。海外から侵入したこの虫が今年、異常発生している。生息域は年々広がる一方だが、根絶策は見つかっておらず、住民らの苦労が続いている。 列車の運行トラブルは11月21日、南九州市頴娃(えい)町のJR指宿枕崎線で起きた。線路の上に群がったヤンバルトサカヤスデが踏みつぶされ、しみ出た油のような体液が車輪をスリップさせたらしい。 ■生息域拡大、歯止めなく ヤンバルトサカヤスデによる同様のトラブルは、1999年にも同じ頴娃町の指宿枕崎線で起きている。 ヤンバルトサカヤスデは台湾原産の外来種で、沖縄から日本へ入ったとみられる。県内では徳之島で91年に初めて