必要なのは、今、2020年にむけての『物語』、そして、その『物語』が2020年を超えても続いていけるような、そんな『物語』を作ることはできないのか? 1964年の東京オリンピックには、これで戦後が終わっていくのだ、日本がいよいよ世界に向かって復帰できるのだ、といった確固たる物語があったように思う。今回の東京オリンピックには、今、日本人を動かすべき、そうした大義名分のような『物語』を簡単に見つけることは難しいだろう。ただ、ある程度の大きさの『物語』を積み重ねることで、人々の「気運」を作ることはできる。そして、盛り上がった「気運」 の中からしか、壮大な物語は生まれないと思う。(中略)そして、この東京キャラバンが日本にばらまいた、目の前にある文化=ライブの面白さ。それを経験した小さな子供たちの心の中に種が撒かれる。インターネットの普及で偏りがちになった文化とは、全く違う姿、目の前で息をしている人