〝運命〟を作曲した頃のベートーヴェン(1806年ノイガス画) ジャジャジャジャーンの謎 ベートーヴェンの交響曲 第6番 ヘ長調『田園』は、1808年12月22日、ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場で初演されましたが、ベートーヴェンといえば、というより、クラシックといえば、というくらいポピュラーな、交響曲 第5番 ハ短調〝運命〟も同じ演奏会のプログラムとして同時に初演されました。 今年、ベートーヴェンの生誕250周年を迎えるにあたって、あらためて聴き直してみようという人もおられると思うので、ここで取り上げてみたいと思います。 まず、〝運命〟という呼び名は、ベートーヴェン自身がつけたものでないことは知られていますが、そう呼んでいる国は日本くらいで、欧米ではそれほどポピュラーではありません。 それは、冒頭の有名なジャジャジャジャーン、いわゆる「運命動機」について、ベートーヴェンが〝運命が扉を叩く