京都大学の霊長類研究所が解体されることになりました。解体した後は、まだ仮称ですが「ヒト行動進化研究センター」という組織に改編されるそうです。野外で野生の霊長類を調査するフィールド系の部門は京都に移り、思考言語分野と認知学習分野の心理学系2分野は廃止されます。松沢哲郎さん(懲戒解雇)を初めとする数名の研究者が研究費を不正に使用したことと、正高信男さんの複数の論文捏造が認定されたためです。松沢さんは判断がまちがっているからと裁判をすると聞いています。 霊長類研究所では、フィールドワーカーが野生の霊長類を調べ、実験系の研究者が飼育している霊長類をテストして、フィールドや実験室だけでは分からなかったさまざまな現象を明らかにしてきました。それは「人間とはいかなる生物か」「ヒトの本質とは何なのか」を探る基礎研究です。基礎研究ですが、いろいろなところに応用が可能です。人文科学の、例えば哲学とか社会学にも