僕がバンコクに住み始めてもうすぐ4年が経とうとしている。バンコクは年中真夏で季節感がないので日本よりも時間の進みが早く感じるよ、と言われていたがまさにその通りだ。矢のように時が過ぎていく。 バンコクに住み始めて最初に感じたことは、日本語のフリーペーパーの数がものすごく多いということだった。ざっと数えても15誌。廃刊になる媒体もあるが、毎年新しい媒体も創刊されるので、この4年間でも媒体の数自体は変わっていないはずだ。 僕はその15誌の中のある媒体で広告営業マンとして勤務していた。競合が14誌もあるということは決して喜ばしいことではなかったが、各媒体毎に個性があり、他媒体も情報の入手先としてとても重宝していた。 バンコクに来たばかりの頃は正直、日本ではフリーペーパービジネスは斜陽産業に挙げられていたし、あと2〜3年でこの業界も大きな再編があるだろうと思っていた。 しかしそれは大きな勘違いだった