『UX(User eXperience)』という概念に、注目が集まっている。ここ数年で、UXリサーチャーやUXデザイナーといった職種に就いている人の数は大きく増加した。専門家だけではなく、経営者を始めとしたビジネスパーソンの間でも、UXの認知度や関心度は高まっているようだ。一見したところ、『UX』という概念は順調に世の中に普及しているようにも見えるが、実はその裏側で存在意義を揺るがすような「危機的な状況」に置かれている。 もともとUX / UXデザインは、企業とユーザの間にwin-winな関係をもたらし、人々の生活を自由で豊かにできる体験が次々と生み出されるような社会の実現を目指す概念 / 行為であった。UXを重視することで、企業は人々の生活に役立つ体験を創造・提供できるようになる。良質な体験を提供しているから、その企業は顧客に選ばれるようになり利益・売上が高まる。利益・売上が高まるから、