天下一品に関する一考察 目次 第一章 味の個人主義 第二章 飾りじゃないのよお皿は 第三章 主役脇役論「何を食べに来たの?」 最終章 実践的総論「私って嫌な客?」 付録A マニアの楽しみ 付録B メンどうはごメン 第一章 味の個人主義 天下一品こってりラーメンの特徴のひとつに『味の個人主義』なるものがあると筆者は考える。ではその『味の個人主義』とはなにか。一言で言えばこってりを食べる人が一人ひとり自分の好みに合わせて味付けを調整できるということである。筆者はあまり天一以外でラーメンを食べないので断言はできないが、大抵のラーメン屋では出されたものをそのまま食べるしかないように思う。精々がコショウを振るぐらいである。つまり同じ店で同じ時間に同じラーメンを食べている人は、まったく同じ味のものを食べているわけである。隣の人とあなたはまったく同じ嗜好なのだろうか。また、同じ店でも日や時間により微妙に