伊丹市立図書館「ことば蔵」(伊丹市宮ノ前)は、昭和初期に郷土史研究や文化情報を伝えた郷土紙「伊丹公論」を73年ぶりに復刊させた。当時と同じタブロイド判4ページで、レトロ感を醸すため茶色がかった白の紙やデザインにこだわった復刊号(7月31日付、5000部)を同館などで無料配布している。 伊丹公論は、郷土史研究家の小林杖吉氏が1936年に創刊し、40年までに19号を発行。小林氏は大阪医学校(現・大阪大医学部)教授を退職後、市内に私塾を開き、子どもに英語や数学を教えたほか、月謝で購入した図書を無償で貸し出す私立図書館も併設した人物で、小林丹城のペンネームで同紙の主筆も務めた。 当時は、江戸時代に伊丹の景勝地を集めた「有岡八景」や、清酒発祥の地として知られる「伊丹酒」に関する考察、郷土土産品の紹介を掲載。地元の小西酒造の関係者が酒のたしなみ方などをつづったコラム「酔後録」もあった。 復刊号では、1