「薬といえば苦いもの」とおもわれている方は多いかも知れません。このイメージの元ともいえる「良薬は口に苦し」ということわざは、孔子の言葉といわれています。昔の薬は、植物の葉や茎などを煎じて飲むことがほとんどだったので、苦味を感じるというのは至って普通だったのでしょう。 それでは、こういう薬の中で、特に苦いものっていうのは、どういうものがあるのか?気になったので調べてみました。 調査対象は、第十六改正日本薬局方に掲載されている生薬。日本薬局方とは、日本国内で使用される医薬品の規格基準書で、日本で頻用されている医薬品が中心に収載されています(厚生労働省のホームページからダウンロード可能です)。日本薬局方には、薬用植物や動物などから得られる「生薬」についての項目があります。そのなかには、個々の生薬について「生薬の性状」という項目があり、その項に形やにおい、味などが記載されています。ここで扱われてい