辞書にも教科書にも載ってない、欧米の小さなマナー 数年前の中学校2年生の国語の教科書に、西江雅之著の「伝え合い」という単元がありました。 学習のねらいは、たとえ言葉が通じても,その使い手の属する世界や身に付けている習慣によって同じ言葉でも意味合いが異なってしまうことで、本文には言葉は通じているが、話し手と聞き手の意味のとり違いの例が載っています。 ひとつは、北東アフリカのソマリアという国の奥地で老人にこう尋ねられます。 「ところで、あんたの住んでいたところには羊がいるかね。」 そこで作者はこう答えます。 「いや、日本というところには羊はほとんどいませんよ。」 ところがそこの土地では羊だけが唯一の食べ物であって、 「羊がいない」=「食べ物がなくなってしまっている」 という意味であったというのです。 もうひとつは、海岸地帯から来た人々の中には、習慣上、他人に何かをしてあげて「ありがとう」という