今月19日は小説家、太宰治(1909~48)の生誕100年に当たる。次々と愛読者を招き入れ、今も色あせることのない作品世界の魅力は何か。没後60年を超えた「永遠の人気作家」は、どこにいて、どこへ向かうのか。ベテランから若手まで4人の文芸評論家が、さまざまな視点で語る。初回は「若いころから大ファンだった」という吉本隆明さんに聞いた。 ◇本質知る反問の人 親密な文体の背後に重さ 以前から「青年期に心から没入した」作家の一人に、太宰を挙げてきた。 「どの作品も隅から隅まで読みました。太宰が死んだ直後、同じ大学で親しかった奥野健男(太宰研究で知られる文芸評論家。故人)と2人で酒を飲んで追悼しました。『誰も太宰の本質を理解していない。分かっているのは、おれとお前だけだ』と話したものです。それくらい好きで、嫌いな作品は一つもありません」 衝撃的な死から60年以上たった今も読まれ続ける秘密は何か。 「文
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