(続き) 「その1」で触れた過程1~4のうち今度は「3.間に助詞を補う」について考えてみよう。 初歩的な回文は、次のイのようなサンドイッチ的な構造を持つことが多い。 イ:(名詞1)+助詞+(名詞1をひっくり返した言葉) 助詞にもいろいろあり、一文字の助詞であっても全体の意味を大きく左右する。 例: イカの会 イカに貝 イカと貝 イカを買い 回文全体がもっと長くなった場合は、使いやすい助詞とそうでない助詞が出てくるが、語数の少ない「名詞+助詞+名詞」の初歩的なレベルでは気にする必要がない。 ところで、日本語ではしばしば助詞が省略される。 「僕は学校に行くよ!」は「僕、学校、行く!」だけでも通じるからである。 このため、回文では辻褄を合わせるための省略が、頻繁に行われている。 回文特有の文の不自然さは、助詞の不規則な省略でほとんど説明できるのではないだろうか。 次に、もう少し別の形を考えてみよ