あの忌まわしい事件からもうすぐ10年が経つ 10年ほど前、ぼくはデジタルハリウッド大学に務めていて、週末毎に大学があった秋葉原に通っていた。 その頃、秋葉原では日曜日に歩行者天国として中央通りが解放されていた。人が人を呼び通りは加速度的ににぎやかになっていった。 パフォーマーたちの突発的な野外劇場となることもあり、路上は祝祭的な空間になっていった。この自然発生的な活況はいささかクレイジーな方向にもエスカレートし、「路上ストリップ!?」などと報道される出来事をぼくは目撃している。 (Photo by Getty Images) 当時の秋葉原歩行者天国には様々なものを引き寄せる磁力があった。 マジコンが堂々と売られ、メイド喫茶が乱立し、違法DVDや脱法ハーブを扱う露店があった。いいこともいけないこともなんでもアリだったが、これらはひとつの事件により唐突に終わった。 「秋葉原無差別殺傷事件」。