福島の「軍師」こと竹鼻GM。湘南でクラブ経営のノウハウを学び、鳥取を経て2年前から現職 【宇都宮徹壱】 「最近ですか? 県内の農家や農園を回ることが多くなりましたね」──。久々に再会した、福島ユナイテッドFCの竹鼻快(たけはな・かい)GMは、そう言って笑った。サッカークラブのGMが、なぜ農家や農園をはしごしているのか。当人に説明してもらおう。 「ご存じのとおり、福島は米や野菜や果物の産地として有名ですが、原発事故後の風評被害に苦しんでいます。それを払しょくするには、パンフレットを作るよりも、アウェーの会場で直販したほうが絶対アピールになるし、お客さんにも喜ばれる。そういうお話をさせていただいて、今ではあちこちの農家の方々から農作物を買い取らせていただいています。逆に農家は、今はどこも後継者不足です。だからウチの選手に、週に何回か農作業のアルバイトさせることも考えています。農家にとっては労働
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