【テヘラン=五十嵐弘一】イランのロスタミ・カセミ石油相は19日、国営イラン石油公社(NIOC)に対し、英国とフランスの石油会社への原油輸出停止を命じた。 これを受け、NIOCは同日、両国の石油会社への原油販売を停止した。イランのメヘル通信が伝えた。 欧州連合(EU)は1月、核開発計画を進めるイランへの制裁措置として、イラン産原油の7月1日からの輸入禁止を決定している。英仏両国はEUの決定を主導した。イランの輸出停止措置は、EUの制裁発動を待たずに禁輸に踏み切ることで、代替輸入先の確保を急ぐEU加盟国の混乱を誘う狙いがあるとみられる。 また、イラン産原油への依存度が高いギリシャやイタリアなどが除外されており、EU内にくさびを打ち込む目的もありそうだ。 EUの輸入禁止決定後、イランが禁輸を発動したのは初めて。