政府が2010年の沖縄県・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件などを受け、今国会に提出する海上保安庁法と外国船舶航行法の改正案の概要が判明した。 海上保安庁の警察権を強化し、遠方の離島で不法侵入などがあった場合には、警察官に代わって海上保安官が捜査や逮捕ができる規定を設ける。対象とする離島は、尖閣諸島のほか、日本最東端の南鳥島(東京都)、最南端の沖ノ鳥島(同)などが挙がっている。 政府は両法改正案について近く閣議決定する方針だ。 現行の海上保安庁法は、海保の警察権の対象を「海上における犯罪」に限定している。警察が離島に到着するまで時間がかかることから、海保の警察権を拡大することにした。対象とする離島については、海上保安庁長官と警察庁長官が協議して指定する。