沖縄返還密約をめぐり元毎日新聞記者・西山太吉氏(80)が逮捕された事件を原作とするドラマ『運命の人』(TBS系)が現在放映中だ。この事件の背景に何があったのか、そして西山氏は今、何を考えているのか――。作家の山藤章一郎氏が迫った。 * * * <本社見解とおわび>「(機密文書を洩らした外務省の女性事務官と、持ちだすことをそそのかした本社記者)両者の関係をもって、知る権利の基本であるニュース取材に制限を加えたり新聞の自由を束縛するような意図があるとすればこれは問題のすりかえと考えざるを得ません。 われわれは西山記者の私行についておわびするとともに、同時に、問題の本質を見失うことなく主張すべきは主張する態度にかわりのないことを重ねて申述べます」(1972年4月15日 毎日新聞) 〈西山記者〉とは、いま放映中の『運命の人』(原作・山崎豊子)の主人公である。1月末の第3回では、西山記者が逮捕された
沖縄返還密約をモチーフとしたTBS系ドラマ「運命の人」(日曜後9・0)。重厚な演出と昭和40年代の巧みな再現に加え、最近は登場人物のモデルとされる読売新聞の渡辺恒雄グループ本社会長(85)が抗議の文章を週刊誌に寄せるなど、話題性が高まっている。プロデューサーの瀬戸口克陽(かつあき)氏(38)に舞台裏を聞いた。◇ 原作は平成21年に刊行された山崎豊子さん(87)の同名小説。毎朝新聞の政治部記者、弓成亮太(本木雅弘)は、外務省事務官、三木昭子(真木よう子)が提供した情報をもとに、沖縄返還をめぐる密約を追及する。しかし、機密漏洩をそそのかした罪で逮捕され、妻の由里子(松たか子)も巻き込んでスキャンダルに翻弄されていく。 時代の再現について、瀬戸口氏は「ディテールで勝負した」という。たとえば言葉遣い。妻たちは夫に敬語を使い、男性の言葉遣いも砕けていない。「台本の段階でも現場でも、語尾については深く
世界の原子炉の半数が稼働するヨーロッパ。中でもフランスは強力に原子力発電を推し進めてきた。地域の活性化を喜ぶ人びとは議論を避け、原発労働者の存在は社会から気づかれなくなっていく。 原子炉の安全運転に欠かせない現場労働は、コスト削減を目指す企業の論理の中で賃金の安い下請け労働者に委ねられる。フランスの原発ではメンテナンス作業の8割を下請け労働者に頼る。中でも危険な仕事が原子炉内に入って部品を交換する「ジャンパー」。こうした人びとが癌を発症するのは何年も経てからで、フランスでは10年以上経過したケースでは原発による被曝が原因とは認定されず、また、下請け労働者の場合はそもそも原発労働者と認定されていない。 無視されるのは労働者たちの被曝だけではない。フランスでは「レベル0」と呼ばれる小さなものも含めると、年間1000件以上の事故や不具合が起きていると専門家は言う。しかしある元原発労働者の証言では
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