プロジェクト内での「出世」 最初は協力会社の一実装者 さて、ここで、Fさんの事例に的を当てて見ましょう。ある金融の基幹プロジェクトを例に取ります。 Fさんは30代。必要な経験を持ち、一番無理が利く年齢です。当初多くのプロジェクトにあるように、Javaのプロジェクトの「火消し増員」の1人として呼ばれました。立場はベンダの協力会社の一員としてです。期待されていたスキルは、Javaの実装力ならびにUMLによるシーケンス図の記述です。いわゆる実装部隊の増員の一員でした。 しかし、私が常に思うのは、「JavaのプロジェクトだからJavaの技術者を増員する」というのは、非常に危険な考え方です。 その前提にあるのは、プロジェクトのサイクルは正しく回り、要件は設計に落とされ、それが実装に回され、その実装の結果がフィードバックされる……。そのプロジェクトサイクルが正しく回っている中でさらに、要件がきちんと管