ジャーナリスト:長谷川学 奇妙な仮装に身を包み、オヤジギャグをちりばめた、書籍やイベントの大広告を続々と新聞に載せている「謎の人物」。多額のカネを集め、政治家ともつながる知られざる男の「目的」とは—。 1年で643回も紙面に登場 昨年の12月9日、東京・文京区の老舗ホテル「椿山荘」でチャリティーショーが開かれていた。客席のテーブルに載せられたキャンドルを見て、司会役の男はこう言った。 「別のプレーに使わないように」—。 彼こそ、新興宗教団体「ワールドメイト」の教祖・深見東州(63歳)である。ロウソクをSMプレーの道具に見たててギャグを飛ばしたのだ。 私がワールドメイトに関心を持ったきっかけは、深見の顔写真が入った、大々的な新聞広告だった。深見は、本を出版し、コンサートや演劇などを頻繁に催す度に、自分の写真入りの広告を全国紙などに大きく載せている。 広告の出稿元は、「東京芸術財団」など一見、