オタク仲間の友人から突然告白されたことがある。正確には突然というわけではなかったのだけど、まさか告白してくるとは思っていなかったので、予想外という意味では突然と言ってもいい。人から告白されたのは当時30過ぎになる人生の中で初めてであった。 まず前提として、彼も私もかなり重度のオタクで、恋愛よりも恋愛シミュレーションにうつつを抜かしている人種である。彼は恋愛経験皆無、私も毛の生えた程度といったところだろう。だいたいその年で独身彼氏無しというあたりで察して頂きたい。ただし私には他に好きな人がいて、フラグを立てようと必死になっている真っ最中であった。 不遜に聞こえるかもしれないけれど、彼に好かれているな、というのは分かっていた。清水の舞台から今にも飛び降りそうな文面で食事に誘われたり、熱心にメールを頂いていたりしたからだ。周囲の人々がニヤニヤと世話を焼きたそうにしているのにも気づいていた。ただ、