『14歳、明日の時間割』(鈴木るりか/小学館) 藤井聡太7段がプロ入りした当時「14歳にしては将棋強いね」なんて誰も言わなかった。14歳だろうが20歳だろうが60歳だろうが、強いものは強い。結果に対して年齢を引き合いに出すのはその才能と努力に対する途方もない侮辱だ。「12歳の文学賞」を受賞し、現役中学生作家としてデビューした鈴木るりか氏も同じだ。デビュー作『さよなら、田中さん』(小学館)はただただ小説としておもしろく、才能を感じさせられるものだった。その証拠がこのたび発売された2作目『14歳、明日の時間割』(小学館)である。 本作は、とある中学に通う少年少女の群像劇。第一話の「一時間目 国語」からはじまり、家庭科、数学、道徳、体育……と昼休みをはさみながら科目をテーマに物語が展開していく。 「国語」の主人公・三木明日香は、14歳で作家デビュー。風変わりな少女として認定されたおかげで気楽なこ