将棋鑑賞の見どころといえば、素人には思いもよらない妙手や高度な指しまわし、 さらには、あらゆる局面を読み切っての最善の一手、鮮やかな寄せなどが挙げられるだろう。 一方で、一流のプロ棋士による「悪手」も魅力的である(指した本人は悪夢だろうが……)。 ここでは名棋士の悪手をelmoの評価値とともに紹介したい。 激辛流が裏目に!? 名人戦の大頓死 2002年名人戦 丸山忠久名人vs森内俊之八段 図(前後逆)は2002年の名人戦第2局、丸山名人勝勢の場面。7七銀成、同馬、8五金と進めば勝勢を維持できていた(評価値6500以上+)。 しかし、丸山名人は激辛流の同金。素人目には自然な一手であるが、これが世紀の大悪手だった。 すかさず森内は7一龍とバサリと切る。 これが同金、4二歩打からの11手詰みで後手丸山は即投了。 結局この名人戦は4-0で森内のスイープに終わる。 続いては森内名人の大悪手を。 伝説