「おまえたちが笑顔では困る。泣き悲しんでいないといけないんだ」。NPO法人ハッピーロードネット(広野町)の理事長・西本由美子(63)はある時、こんな中傷の電話を県外の男性から受けた。 本県沿岸部を南北に貫く国道6号の環境美化に取り組む清掃ボランティア活動「みんなでやっぺ!きれいな6国」を、浜通りの各青年会議所と協力して実施している。 高校生らが、自分の通学路のいわき、広野、南相馬、相馬、新地5市町でごみを拾っているが、これに対し「子どもを被ばくさせる殺人者」などと国内外から活動を批判、中傷するファクスやメール、電話が殺到した。 2015(平成27)年秋の活動に対しては意見が1000件を超え、昨年10月も前年よりは減ったものの約80件あった。9割は匿名だ。生徒たちは、自分の生活圏の清掃を行っているにすぎない。 「泣き悲しんでいないと困る」との中傷もその一つだ。国の原子力政策への不信感などを背
たつた・かずと(自画像) 福島第1原発での作業体験を漫画にした「いちえふ 東京電力発電所労働記」を2013(平成25)年から漫画週刊誌で不定期連載し話題を集める。素顔や略歴は非公表。関東圏出身。51歳。 東京電力福島第1原発の廃炉の現場で働く作業員の日々を描いた漫画「いちえふ」の作者竜田一人氏は、自ら作業員として原発と向き合った上でこう話す。「地震、津波の災害の大きさに比べ、あまりに原発事故がクローズアップされすぎではないか」 「地震、津波で多くの人が亡くなっている。原発事故を過小に評価したいわけではないが、トータルの死傷者数を考えると、あまりに地震津波に対して過小評価しているのではないか」 震災から5年で、いまだに本県の現状への正しい理解が進まない。竜田氏は「作業員を英雄視するのも違うし、虐げられている奴隷のようなかわいそうな人とみるのも違う」と話し、本県の置かれた状況を過大でも過小でも
「『福島の問題は日本そのものの問題。県民は解決のために立ち上がるべきだ』と期待を押し付けるのは、もうやめよう」。精神科医の堀有伸(43)は反省を込めて語る。 うつ病患者の診療などを通じ、欧米と異なる日本社会の特質に関心を持つようになった。個人が集団の中に埋没して「お上に従い」、それぞれが考えることをしない傾向が強いという点などだ。原発への姿勢は、まさにそれだった。 「日本人の弱点を突く出来事だ」。国民のほとんどが信じ切っていた「安全神話」を崩壊させた東京電力福島第1原発事故をそう捉え、2012(平成24)年4月、東京の大学病院を辞めて南相馬市の病院で働き始めた。「『原子力ムラを打倒したい』と無意識に考えていたかもしれない」 被災地ではしばしば戸惑いを感じた。NPOを組織して災害精神医学の勉強会などに取り組んだが、住民の関心は低調だった。逆に人気を集めたのはラジオ体操。高い理念の活動ほどうま
"本県発"のアニメが、海外進出を果たしそうだ。福島の「アニメの聖地」化を目指す三春町のアニメ制作会社・福島ガイナックスが、中東でのアニメ制作プロジェクトに乗り出す。一方、アニメと共に高い評価を受ける日本の漫画文化は、海外で飛躍を続ける。「クールフクシマ」を具現化する同社と「MANGA」の今に迫る。 中東でのアニメ制作プロジェクトの実現を目指す福島ガイナックス。浅尾芳宜社長(47)=福島市出身=は「中東の人はアニメも漫画も見ているが、まだコンテンツビジネスは発展していない」と語る。日本のアニメ関係企業がほとんど進出していない中東に「新たなアニメの可能性」を感じているという。 すでに、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイやアブダビを訪問している浅尾社長。「若い世代がゲーム会社などを設立している。アニメもやりたがっているが、ノウハウがないのが現状」。浅尾社長は現地の会社とアニメの共同制作について話
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