南極半島の西側とスコシア海に住むペンギンの個体数が、過去30年で最大50%減少していることが、新たな調査で明らかになった。この急減は、ペンギンの主食であるオキアミの不足によるものとみられる。オキアミは同地域での気温の上昇と大食漢のクジラの個体数増加により数が減っている。 カリフォルニア州ラホーヤにある米国海洋水産局に所属する漁業生物学者のウェイン・Z・トリベルピース(Wayne Z. Trivelpiece)氏は、1970年代からヒゲペンギンやアデリーペンギンのコロニーを調査している。 トリベルピース氏は個々のペンギンに定期的に識別バンドをつけてその動きを追う研究を通じて、個体数急減の主要因をつきとめた。それによると、エサのオキアミを見つけるのが難しくなっているため、生後1年未満の若いペンギンが最初の冬を自力で越せずに終わるケースが激増しているのだという。「1970年代や80年代半ばで