エキセントリックな人間を魅了するなにかがパチンコ屋にあるのか、それとも人間をエキセントリックに変貌させてゆくなにかがパチンコ屋にあるのか、あるいはダパンプの真ん中の帽子の中にはなにがあるのか、むしろなにもないのか、そこらへんはよくわからない。でも僕が、パチンコ屋でゴルフバッグを背負ったおっさんを見たのはウソじゃない。間違いなく彼は、芝を読むような目つきで釘を読んでいました。寸分の狂いもなく刈り込まれた彼の頭頂部は角刈りというよりはむしろグリーンだよ!いやそれどころか、地平線そのものでした。明けない夜はないじゃない。僕はおっさんの後を追っていました。「わたしの前世は裸族」のミリオンセラーがいまだ記憶に新しい倖田來未さんをモチーフにしたパチンコ台の前で足を止めた彼は、ゴルフバックを肩から下ろすとやがて打ち始めました。盤面のガラスに鼻先が触れるほどの距離で倖田來未さんを凝視しながら、時おり遠くを