劣化ウランという名称ですが 英語では「depleted uranium」といいます。「depleted」というのは「空っぽにされた」とか「枯渇された」「激減された」という意味になります。このようにいわれるウランとは、ウラン濃縮によって「核分裂に有用なウラン235」が取り出されてしまったという意味であり、「劣化」とは、ウラン235の濃度が低いという程の意味です。核分裂性のウラン235の濃度が低くなったとはいえまだ含まれていますし、残りのウラン238も放射性核物質です。 図1を見て下さい。 100万kWの原発を1年間稼働させるのに必要な濃縮ウランは30トンです。このウラン燃料を作るために必要なウラン鉱石は13万トン、これから精錬された天然ウランはウラン235の濃度が0.7%です。燃料にするためにウラン235は濃縮工場で濃縮され3~5%にまで高められます。その過程で大量の低濃度ウランが発生します