今回は下記の論文について。 林真人,2006,「若年野宿者の形成と現存」『社会学評論』57(3): 493-509. 3人の若年野宿者(男性)の生活史の紹介が主な内容。いずれも家族や友人との関係がなくなり、最終的には半ば "自発的に" 野宿生活に入るというお話。一般に野宿生活者は、高齢になって日雇いや飯場などで働けなくなり、野宿生活に入るというのが典型的なパターンだが、若年の場合は、がんばれば働けなくはないのだが、人間関係をうまく処理できないなどの理由で、継続的な就労をあきらめているケースが相対的に多いことが示唆されている。このように、「仕事がない」のではなく「自分自身の内面的要因」が原因として本人たちによって語られることから、「下層の再編成を通じて新たな個人化のモード(再埋め込みなき脱埋め込みが出現し」ていると著者は主張している。 若年野宿者が増えているという噂は聞いていたので、どんな感